ライブ告知するブログがつまらなくて悲しくなる理由


「えらそうなことばっかり言いやがってクズが」ということを今から書くので、タイトルの時点で不快な人は、【戻る】を連打して下さい。


……さて、先日、こんなブログを見かけた。

タイトルは、『2月のライブ告知』

おい、タイトルの時点で読む気が80%減ったぞ。

釣れ、せめて釣ってくれ。

想像がついてしまう。

【イベント名】
日付:●●● OPEN~
場所:△△△ 最寄り駅~
共演:■■■
ワンドリンクどうのこうの


(ああだこうだ思いを述べたのち)がんばるのでよかったらぜひ!

声を大にして言いたいので、フォントサイズを変えてみる。


もういい!!もうそんなブログはいい!!!!
ライブ告知の“文面のおもしろさ”はどこにある!?誰かがこれを読んで、『なにこれ!超オモシロイ文章!』と思うとでも思ったか!?なんだこのテンプレは!表現者として、この文面はなんだ!!一体なんなんだコレは!!!!



超絶短気なボクは、パソコンの画面を頭突きで叩き割ってしまいそうになった。代わりに、ツイートをした。




“表現者の言葉は想像を咲かせる種”、たとえブログであっても。



嘘でもいいから、おもしろい文章を書いてくれ。いや、書けなくてもいい、ただ、書こうとしてくれ。その姿勢だけは見せてくれ。

いつどこでライブがあるか?ライブ告知、

あなたは、この文面がおもしろいと思って書いているのか??

「歌は別だよ。歌は本気だよ。つーか、ライブこそが本番だから」って?

たとえブログであっても、

歌い手が、表現者が、その口から、“言葉をこぼす”んだ。

それは確かなキミの言葉なんだ。アーティストである「あなたの言葉」なんだ。

表現者であるあなたの言葉ひとつひとつが種なんだよ。ファンにとって。

キショイことを言うけれど、想像という花を咲かせる種なんだよ。

あなたは、あなた自身の言葉を軽んじているんじゃないか?

たとえブログであっても、表現者であるキミの言葉は、“表現者としての言葉”なんだよ。クリエイティブな人間が吐いている言葉なんだよ、それは。

再度問う。

「ライブ告知」の文面は、おもしろいか?おもしろいと思って書いているのか?

淡々とライブ告知だけがなされる文面を読んで、ボクは一方的に悲しくなった。身勝手に、我侭に、悲しくなった。

これがキミの文章か、表現者であるキミの文章なのか。


ブログでは“正面の顔”ではなく“横顔”をみせる



いや、たしかにいるだろう。

「ブログでライブ告知してくれてありがとう!」という人もいるだろう。

でも、それは情報を提供してもらった『ありがとう』だ。

「ライブ告知」という報告は有益ではある。

でも、ボクはこう思っている。

読者は歌い手の“横顔”をブログでみたいのであって、正面の“歌の顔”は特段求められていないんじゃないか。

ファンってのはそういうもんだよ、たぶん。

その人の歌が好きで、やがて、その人自身を好きになって、その人の頭の中が知りたくて、時に真似をして、時にライバル心をもって、その人と近づこうとする。その人に“近づきたい”と思う

そしてファンになる、“実際にあなたがいるライブに行く”。

ライブでは、あなたの歌だけを聴きに行くんじゃないんだよ。

あなた自身に会いに行く、会える、そんな気持ちなんだよ。

(このへんの詳しいことは別の記事でも書いた「ファン心理とは何か?ライブに人が来ない本当の理由」)


思い出してほしい。

あなたが初めて、大好きな歌い手のライブに行った日のことを。

ライブ前日、あなたはこう思っていたんじゃないか?

「聴く」というよりも、「会える」というワクワク感が先にあったんじゃないか?

「ライブ告知」というブログ。いいと思う。

でもね、あなたの横顔、“素顔”がそこにあるのか?

『オレは音楽をやる人間だから、音楽だけでいい。音楽以外のことは述べない』

そんなこというなよ。

ファンであるボクは、あなたの音楽だけが好きなんじゃない、ボクが好きな音楽を作っている“あなた自身”を好きになっているんだ。

一見、音楽と関係のない話であっても、突き詰めてみると、根底でそれは、あなたの歌とつながっている。

あなたの言葉は、あなたが作る音楽とつながっている。

だから、あなたの音楽を聴くときと同じように、あなたの言葉に注意深く耳を傾ける。


ファンは、あなたが作る音楽を含め、“あなた自身”に惹かれている。

これはボクの趣向でもあるけど、ブログって、そういう場所でもあるんじゃないか?

真剣である歌とは別の、“横顔”が垣間見える場所であり、あなたがあなたの“隙”をみせる場所なんじゃないか。

“隙”、あなたのような素晴らしい歌を作れない一般である私たちが、いくらか歩み寄れるような、等身大がもつ“隙”。

はたして、“ライブ告知”がブログのもつポテンシャルなのか?アーティストのブログの魅力とその活用は、もっと別のところにあるんじゃないか??

さらには、前述したように、ブログって、やっぱなんだかんだ、“自己表現の場所”、いや、“自己表現となってしまう場所”

それを理解しているから、又、それが面倒であるから、ブログをやらないアーティストもいる。懸命だと思う。真摯だと思う。

冷淡なライブ告知という文面―――

ボクは音楽だけを突きつけられた。ただ、音楽という字面の情報を。

ボクは我侭なファンだ、突きつけられた文面を、こうしてそのまま突き返してしまう。


***

ファンであるから、ライブ告知のブログをとりあえずリツイートしてみる。多くの人に知ってもらえたらいいなと思うから。

でも、本当はね、「自分の好きな歌い手はこんなに素敵な人だよ」と伝えたくなるような、あなた自身の言葉を、誇らしげにリツイートしたいんだ。

ライブ告知なんて、押し付けがましさもあって、本当はあまりリツイートしたくないんだよ。

ねぇ、先輩、

ボクはまた、読んでくれるかわからないこんなところで、先輩に向かって文章を書いている。

一生、読まれることのない手紙かもしれない。

読まれたとしても、あなたはゴミ箱に捨てるかもしれない。

「このストーカーファンが」って。

でも、ありがとう。

こんなこと言いながらも、「ライブ告知してくれてありがとう」って言ってしまうくらい、たとえライブ告知であっても、『あなたの言葉だ』とボクは喜んでしまう。それほどに、あなたの歌に救われてしまったんだ。

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