『若者よ、アジアのウミガメとなれ』読書感想――“風を掴め!波に乗れ!”

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『若者よ、アジアのウミガメとなれ』(加藤順彦)をKindle書籍で読みました。

んー、刺激的な一冊でした。なんというか、“規模の大きい話”、“視野の広い話”でした。

本書は、起業セミナーの講演会を収録したものなのですが、実際に生で聴いてみたいと思いました。



<内容紹介>
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出でよ!【アジアのウミガメ】
日本を外から揺さぶり、刺激を与えろ!
アジアには無限の可能性がある!!
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風を掴め! 波に乗れ!
若い頃から良い“異常”に囲まれ、熱く生きてきた男が、その自らの半生とともに、日本人が、大きな可能性を秘めたアジアに飛び出して行くことの重要性を語り尽くす!!



『若者よ、アジアのウミガメとなれ』:読書メモ



何点か、印象に残った箇所がありました。


ルールのない業界で、ルールメーカーとなる


  • 今、大きく成長している企業があるのはルールのない業界だけだ
  • ルールがないというのはどういうことか、それはつまり業界団体、つまり勝ち組がよくわからない、まだ定まっていない業界なんです。業界の歴史が新しすぎて、まだどうやれば大きくなれるかという定石がない産業。
  • ベンチャーを起こすのなら、新しい会社を始めるのなら、既にルールがあるところよりも、これからできる新しい市場を作る側、ルールメーカーになれる産業を自分で見つけなければいけない
  • インターネットというのは膨張する、すなわち増え続けるので、すべてを買い占めること自体ができない。

“成長の波に乗る”


  • 追い風をつかむことと成長の波に乗るこというのが、企業の成長において最も重要なことなんです。ベンチャーとは産業全体が成長しているところでしか、成長できない。
  • 我々が行ったから市場が伸びたんじゃないんです。伸びるところがあったからそこに行くべきだったんです。私が優秀だから行くんじゃないんです、そこの市場が伸びているから、私たちが出ていったんです。

“シンガポール”という国


  • 世界中から多くの選ばれた人たちが移住して、いまシンガポールで生活してます。
    そして世界中から人材が集まってきています。なぜか。もちろんシンガポール自体の所得税が安いのと無関係ではありません。でももっと重要なのはこのシンガポールという国が、多民族のイデオロギーを持っているということです。
  • 世界一外資系企業が迫害されている、あるいは内資すなわち自国民、日本人が経営するを優遇している国は日本だと思います。
  • シンガポールという国にいて思ったのは、英語がしゃべれない人に対してやさしいんです。なぜか。みんながもともと華人ですからね、無理して英語を勉強ししゃべってきた歴史があるんです。そしてある程度しかしゃべれないことを思いやってくれるんですよ。

風を掴め、波に乗れ


  • 私は波をずっと探してきました。波というのは探している人にしか見えないものです。だから、探し続けてることが大事なのです。そしてそれが見つかったときに、タイミングを計り乗ることが大事です。
  • 大事なのは、成長の波に乗ろうということを決めていることです。それは流れ星に似ていると思います。よく言うじゃないですか、流れ星に願い事を言ったら願い は叶うと。私はほんとにそうだと思います。なぜならば、願い事をいつも反芻している人にしか、流れ星が見えなくなる前に願いを繰り返し言うことはできないからです。己の願い事をはっきりとわかってない人には、流れ星が見えなくなるまでに願い事を言うことができません。どうなったらこうしよう、あるいはこういう状況をつくろうという人しか、実はそういう状況は活かせないのです。
  • こんな企業が伸びているから、あるいは経営陣が優秀かどうか、あるいはその会社がやってる商売がいけてるかどうかは、重要な要素ではありません。その産業自体が伸びてるかどうかなんです。

講演会参加者の声


  • 「成長産業に身をおく」というお話。これから来年度に就職活動を迎えるにあたり、成長産業で自分を磨いていくという事がいかに大切かを痛感しました。グレーゾーンこそがベンチャーがチャレンジできる部分で、波がくるのをじっとまつ。
  • 講義の中でも何度も出てきた波に乗るとおっしゃっていたことにとても衝撃を受けて、起業家の人々はみんな新しいアイデアを持って起業すると勝手に思い込んでいたので、自分も波にしっかり乗っかって熱い思いがしっかりあればいけるのだと思えました。
  • 学生をはじめとする、若い世代の人たちは、自分で流れをつくりだしたい、という人も多いと思いますし、わたし自身、ベンチャーで成功するには、自分自身で成長の波を引き起こさなければならないのだろうと、なんとなく思っていました。ベンチャーだからといって、すべてを自ら作り出すのではなく、流れに乗ることも大事、という考えは、わたしのなかでとても新鮮なものでした。
  • 同じ業種の中で似ても似つかない新しい市場が生まれた時、ジレンマを起こして大手がそれに参入してこない。



読後の感想――「場所」に目を向ける



本書の核となる言葉――“風を掴め、波に乗れ”

成熟した市場や業界は、既得権益やらなんやらでたいへんである。さらに、日本国内は椅子取りゲームとなっている(椅子自体、減ってきている)。

“風を掴め、波に乗れ”とは、ルールの確立されていない未開拓な場、追い風の吹いている産業でチャレンジせよ、ということ。“先見性”と呼んでもいいかもしれません。

「自分のやりたいこと」ばかりに執着するのではなく、業界・市場、産業、つまりは「場所」に目を向けること。参加する場所、その場所は、どのような流れの中にあるか。伸びている市場なのか、成長している業界なのか。時に、それは国内ではなく、海外という「場所」であるかもしれない。

“今、何がキているか”、あるいは、“今後、何が来るか”――その波に乗れ、その風を掴め。

が、言うは易しで、実際、その判断は非常に難しいように思う。普段から様々な方面にアンテナを広げていなければ、波も、風も、わからない。毎日同じことばかりの、だらだらとした生活じゃ、隣にあっても気づけないのかもしれませんね…。つまりは、“願い事をいつも反芻している人にしか、流れ星が見えなくなる前に願いを繰り返し言うことはできない”、ということ。日々勉強、ということ。

――それにしても、本書終盤、講演会参加者の声が掲載されているのですが、これが非常にうまく、講演会の内容をまとめてくれている。ナイスな引用であると思った。そのほとんどが学生なのですが、このような若者の手によって、日本はどんどん変わっていくように思う。否、どんどん彼らは"変えていく"のだろう。自分も、その端くれにでもなれたらいい。

以上、@ryotaismでした。