『日高屋』が好き、僕はどうしようもなく『日高屋』が好きだ。


人によっては行儀悪いと思うかもしれませんが――僕は、ご飯を食べながら本を読むことがある。

右手は箸、左手は本、というスタイル。

これは読書家であった兄の影響もある。おかげで子どもの頃からのクセとなってしまった。

……まぁ、そんなことはどうだっていい。

日高屋という中華料理屋をご存知でしょうか。

関西の人は知らないかもしれない。

私は埼玉の大宮に住んで、初めてその名を知った(日高屋の本社は埼玉の大宮である)。

正式名称、『熱烈中華食堂 日高屋』――。

大宮駅前の日高屋で食事して以来、私はすっかりハマってしまった。

もう、ほんとうにね、大好きである。日高屋が。

「好きな店は?」と唐突に聞かれたら、「え?なんの店?」と聞き返すことなく、「日高屋」と答える。“好きな店は日高屋”、である。

休みの日に、昼飯を食べに一人でふらっと日高屋に出かける。これを何年も続けている。

何回行っても飽きない。たぶん、死ぬまで飽きない。死ぬまで僕は日高屋のことが好きだと思う。

日高屋の“W餃子定食”とか、知ってますかね。最高です、あれは。サービス券を使って、ご飯大盛りにしたらお腹いっぱいになる。

え? サービス券のことを知らない? おいおいしっかりしてくれよ。

“日高屋といったらサービス券、サービス券の日高屋”、と言いたくなるほど、会計時に毎回、サービス券をくれる。その券があれば、ご飯、または麺を無料で大盛にしてくれる。

たとえば「野菜たっぷりタンメン」を、券を利用して大盛りにして、そのボリュームに驚いたこと、あるだろう?

ちなみに色々な種類のラーメンがあるけど、日高屋は「味噌ラーメン」がいちばんウマい(と思う)。しかも、このクオリティで500円って。どうやって恩返しすりゃいいんだよ。

そもそも、僕が日高屋にハマったきっかけは、値段がけっこうリーズナブルなところ。まさに“安くて、ウマい”。

二十代のお金がなかったときは、本当に助かった。友達と夢を語ったこともあった。日高屋で生まれた思い出がたくさんある。

***

さて。気づけば僕は32歳になり、今は千葉に住んでいる。

でも、ちっとも変わらないのだ。

2015年12月6日。今日。

昼飯を食べに、家の近くの日高屋に行ってきた。

大好きな日高屋。

文庫本を後ろポッケに突っ込んで、自転車で向かう。頬にあたる風が冷たかった。もうすっかり冬だな。マフラーが後ろになびく。

店内は比較的空いていた。窓際のカウンター席に座り、ニラレバ定食を注文。

5分後、料理が手元に運ばれる。食べながら小説を読んだ。ページをめくった。

ふと、箸を止め、窓の外の往来をみた。ありふれた日常の光景があった。

「日高屋でご飯を食べながら、小説を読むこと」。

しあわせだなぁ、と思った。

日常の幸福。それは至上の幸福と言い換えてもよい。

日高屋のいいところは、一人でも行きやすくて、且つ、意外とゆっくりできるところ(といっても、飲食店だから、回転率は大事だろうし、長居しても30分程度)。

日高屋で、本を読み、食後に10分程度、読書する。

人によっては、それを行儀悪いと思うかもしれない。また、中華料理屋には不似合いな行為かもしれない。

でも思った。 この瞬間、私は無敵だ!と感じた。それは、とてつもなく幸せということである。幸せすぎて無敵だと感じるような、そんな瞬間が、日高屋にはある。

「僕」と「小説」と「日高屋」、この3つがそろえば、私は無敵になれる。

関東に住む限り、私と日高屋との関係は途切れることはないだろう。日高屋が私のことをどう思っているかはわからないが、私は日高屋のことを全面的に信頼している。いつもありがとうございます。@ryotaism