決して収入の多くはない中、叉、支払いの滞っている諸費用など、浪費家であった私も漸う節約という算段に踏み切ったのです。

これがなかなか良い滑り出しでありまして、具体、実践している『50円単位節約術』を今回ご紹介します。

50円単位節約術

一言でご説明すれば、“ケチる金額を50円単位にする”というものです。

なんとも貧乏臭い話ですが、
お金を貯める(或いは借金を返済する)ということは、収入を増やすことよりも支出を減らすことが原則であると聞きます。

さて、これまで私は、「まぁ、2~300円高いだけだし、まぁいっか」という具合でした。

低収入の現状において(或いは低収入でもかまわないという覚悟ゆえに)、一体この金銭感覚では生活の遣り繰り難しく、貯蓄など到底不可能であります。

「もっと支出を抑えていかねばならない。よし、50円単位にしよう」

では、いくつか例をあげます。

たとえば、
卵1パック200円売っていたとする。
となり町のスーパーでは150円で売っている。

「まぁいっか、50円高いだけだし」

これではいけないと。
この差額が50円未満であるなら、ケチることなく、200円の卵を購入します。そこまでストレスは被れません…。

たとえば、
コンビニでパスタを選ぶ。
ミートは400円、隣のカルボナーラは450円。

この50円の差を侮ってはいけない。
50円安い方を選択するのです。
(無論、コンビニでパスタなどご法度であるが、ここでは例としてあげました)

たとえば、
前月の携帯代金に比べ、今月は50円高い、

これではいけないと。
(なんともみみっちい話ですが、携帯代を50円抑えることなど簡単なことです)

・・・・

と、このように50円単位で切り詰めていく。

「差額が50円以上であるか」というのがポイントです。
50円未満であるなら、さして気にすることはありません。

かく意識ならば、案外、低収入であっても、それなりにやっていけるのではないかと思います。

忘れてはいけないこと


ここで、くれぐれも忘れてはいけないことがあります。
月々、少しずつでも貯金をするということです。
(これもまた、50円単位であってもかまわない)

私はいつ何時、仕事をクビになるかもしれない。
というよりも、曲げてはならない信念のためには、退職も辞さない。

仕事や生活のために『節約』をすることはあっても、
そのために『信念』を曲げることだけは、面舵いっぱいで回避せねばなりません。

「自分の中で絶対にやってはいけないことがあって、それを『やらなければならない』」

そのような、私の価値を下げてまで得る収入は此方から願い下げです。

このようであるからして、貯金はいざ“腹切り”の際に必要で、
いわば貯金とは、男の「切腹刀」となって、男の信念を成就させてくれるものとなります。

節約を始めれば、無論、贅沢や娯楽には興じれません。
が、質素な生活であっても、人に笑われるような、後ろめたい生活であっても、
「自分の人生を『身一つ』で生き抜き、決して奪われることのない“私らしさ”を持ち、我が生涯を全うする」、
そのように思うのです。

「志」という言葉があります。
或いは、それを「大義」と呼んでも差し支えない。
その実践と持続のために、『節約』するという話です。

叉、家庭をもち、奥様がいらっしゃる方は事情が異なるのでしょうが、一先ずのところ、独身である(おそらく当分そうである)私の話です。

最後になりますが、
節約の心構えをポエトリーの恰好で締めくくりたいと思います。

「節約」


笑う者には笑わせておけばよろしい。
質素に、慎ましやかに、私は私の母国で、
胸に抱いた本懐を遂げよう。