活字克服 - 8つの荒療治 -

今でこそ読書が趣味のような人生であるが、
私は10代の頃、
活字、本を読むのがとても嫌いな人間であった。
いわゆる、活字苦手人間であった。
忙しいから読まないのではない、
「いかにして私は活字の苦手を克服したか」
以下、私の我流である。
読書家からすれば批判が多々あるだろうが、一例として譲歩願いたい。
「そもそもなぜ私は活字が苦手だったか」
まずは、それを把握しておくことが重要である。
私の場合は、
◇ 時間がかかる、読むのが面倒だ。
◇ 何を読んでいいのかわからない、読みたいものも別にない。
以上が大きな二点。
これらを解消することが「活字克服」に直結する。
たらたらと書いても仕方ないので、具体的な事を。
1. 古本屋の格安文庫本コーナーにまずは行く!
古本屋には、105円均一のコーナーなどがある。
そこに向かう。
「たくさんありすぎて困っちゃうよ」は、
この時点でかなり絞られる。
「友達が読んでいたから」「タイトルが気になったから」など、
なんでもよいから、ちょっとでも気に入ったものを手に取る。
文庫の裏には簡単な内容が書かれているので、それを参考にする。
探せば必ず、興味がでてくる小説はある。
値段も安いので気軽に買える。
2. まずは「短編」から!
最初は、「中編以下」のボリュームであるほうがよい。
活字苦手者は長いと読めない。読む気がしない。
長編小説など、砂漠を歩き続けるようなものである。
せっかく購入したにもかかわらず、
一度挫折したら、次の復帰は数年後になる可能性もある。
※私の場合は、芥川龍之介(短編が多い)。梶井基次郎『檸檬』などは格好ではないか。
3. 「読書って時間がかかるし…」という被害妄想!
読書は「毎日少しずつ読むもの」という考え方がある。
事実、活字苦手時代、私もそういう考え方だった。
面倒くさい、面倒くさいぞ!読書!と。
確かに、一冊の本を読破するには幾らかの時間を要する。
しかし、量の少ない本ならば、2~3日あれば読める、
いや、内容によっては、1日で読み終えられる。
書店ではそういった一週間もかからずして読める本のほうが、実は多い。
「読書って時間がかかるから面倒臭い」は、ネガティブな思い込みであることが多い。
4. わからない単語は無視!
本を読んでいると、意味がわからない単語がでてくる。
そこで挫折することがある。
すっとばして、次々と読んでいくのだ。
ひとつやふたつなら、わからなくてもストーリー全体を把握するうえでは、たいした支障はない。
もし、どーーーしても気になる、わからないと次に進めないという場合は、
辞書をまずひくまえに、
ざっと、ワンセンテンス、ツーセンテンス…読んでみる。
そうすると、
「このわからない単語は、なんとなくこういう意味だろうな」
と、予想できることが多い。
とりあえず強引に一冊読みきって、自信をつけるべし。
5. 本は安い!
本は安い。
CDや服に比べれば、安い。
文庫本ならほとんどは1000円以下だ。
なんなら、500円以下だ。
安い、安すぎるぞ!本!
古本屋に行けば、105円で買える文庫がたくさんある。
ちょっと高いカップ麺より安い。
ボーナスを待たずとも、小学校低学年の小遣い程度で買えてしまう。
※高額な学術書の場合、まずは図書館だ。
最近は図書館のサイトから検索&予約もできる。
6. 本好きの仲間と議論をかわせ!
本は独りで読むものだ。
読後は余韻に浸るものだ。
充分に咀嚼した余韻後は、語るものだ。
1.読む! ⇒ 2.浸る! ⇒ 3.語る!
このプロセスに一度ハマると、ぬけられない。
それほどに、仲間と本を語るのは楽しい。
(酒など入れば、異常な熱を帯びることがある)
・共通の本で「語る」
・おすすめの本を「教わる」
・おすすめの本を「伝える」
こういったコミュニケーションが、読書していくモチベーションとなる。
又、Twitterなど、ネット上で簡単な感想を書いて見てもらうというだけでも、だいぶ違うと思う。
何でもそうだが、孤独ではなかなか続けられないものである。
周囲に本好きの仲間がいないか、一度探してみよう。
※ビジネス書や自己啓発書の類は、
この「語る」がなかなか出来にくく、一過性の読書で終わることがあるので、文学小説がやはり継続的な読書には向いているかもしれない。
7. 好きな作家を一人見つけよ!
様々な本を読んでみて、「この人の本おもしろいな」と思ったら、
その作家が書いた本を探して、読みまくる。
「その作家マスター」になるのだ。
それまで持ち合わせていなかった、読書の1つの基準ができる。
さらに、妙な、自信もつく。
この、“妙な”、というのがミソで、
一人の作家に詳しくなると、なぜか妙な、自信がつく。
(ちょっと自慢気、偉そうになってしまうのも最初は仕方ない…)
さらに、どの作家も、「その作家が好きな作家」というのがいる。
その作家が影響を受けた作家などは、Wikipedia等で調べれば出てくる。
例えば、
「芥川が好き」 → 「漱石の門下だった」 → 「よし、じゃあ漱石も読んでみよう」
そうしてどんどん掘り下げていけば、
「何を読んでいいかわからない」は半ば必然的に解消されていく。
8. 電車、移動中に読めば楽しさ半減!
読書といえば、「電車、移動中に読むものだよね」、
いや、私は電車の中では「音楽を聴く派」だ。
さらにどちらかというと、移動中は休みたい。
その習慣を変えてまでも本を読むこと、これは私には難しそうだ。
そもそも、そういったイメージは読書が、
「暇つぶしだ」「時間の有効活用だ」という解釈だと言える。
読書は、「電車の中が暇だから」という暇つぶし目的では続かない。
それでは読書が楽しくなりにくい。
活字苦手時代の私は、忙しさゆえではなく、単に本を読むのが苦手だった。
そこを解消できれば、
「空いた時間」に読むのではなく、読むために「時間を空ける」ようになる。
休日などに、家や喫茶店で、
ゆっくり、優雅に、オシャレに、じっくり読む、
そうすれば、
車内や移動中よりも、読書の楽しさを知ることができる。
というより、
あくせくした環境ではそもそも、その楽しさを知ることができないのかもしれない。
読書からすれば、「これはどうなんだろう…」と言われるかもしれないが(汗)、あくまで私の一例として。
活字が苦手な人というのは、
ほとんどが、ネガティブなイメージをもっているからだと思う。
それは単なる、イメージでしかない。
これをきっかけに読書に目覚めた人がいれば幸いである。
