いや、おもしろかったっすね。これは。

先日、映画『愛のむきだし』を見て。

個人的に、あまり好きになれなくて、

で、次に見たのが、『愛と誠』

おもしろかったです。


【ストーリー】
ブルジョア一家の令嬢・早乙女愛は幼少期、雪山で見知らぬ少年に助けられた。その出来事は、彼女の心に“白馬の騎士との出会い"として、強烈な思い出となり刻み込まれた―。
それから11年後の1972年、新宿地下街。愛(武井咲)の前に現れたのは、超不良の太賀誠(妻夫木聡)。
それは運命の再会だった―。
不幸な少年時代の復 讐を胸に東京へやって来た誠は不良グループとの殴り合いのケンカの果て、上京早々少年院送りに…。
運命の人との再会を果たした愛は、誠を更生させるため、 両親に頼み込み、名門青葉台学園に誠を編入させる。
さらにはアパートや学費を用意し、誠を更生させることを宣言するが…。

【キャスト】
妻夫木聡、武井咲

【劇中歌】
「激しい恋」「空に太陽があるかぎり」
「あの素晴しい愛をもう一度」「夢は夜ひらく」
「酒と泪と男と女」 「オオカミ少年ケンのテーマ」「また逢う日まで」「曙」「愛のために」「愛と誠のファンタジア」


感想


『愛の~』みたく、それぞれの人物像を4時間かけてしっかり描かなくても、「一曲の歌」を背景にしてしまうことで、鑑賞者の想像力が、描かれてない部分を含めて、人物像を脳内補完する。

且つ、物語が漫画的なベタであり、キャラクターの想像がしやすい親切設計となっている。

「歌が長い」という声があるが、これは想像(というより妄想)させるための猶予であって、鑑賞者の能動に一任している。

それはある意味、無責任な作りといえるが、私なぞは、一曲が流れている間に、どういった性格かはもちろんのこと、育ち、家族、産まれてから今現在まで、隅々まで想像を巡らせた。

そういった空想好きにはたまらない“間(ま)”である。


しかも最後が感動であるから、これはいい映画だなぁ、と。

ふざけ半分の展開から、はからずも感動するラストシーン。奇手に見せかけた、定跡通りの落ち着いたコマの進め方で、あっけなく感動負けしてしまった。


『走れメロス』の友情が創作上にしか存在しないイデアであるように、無垢な純愛もまた、リアルでないマンガ調にして描くほうが表現しやすい、あるいはそういう形でしか表現できないのかもしれない。