抽象

自分が死んでからも、この世界は存続するの?


「そうにきまってるだろ!バカ!」


ぉお…。そんなに怒られるとは。


んー、自分が死んだ後?

友達とか、恋人とか、あと、景色? 富士山からエアーズロックまで、

自分が死んだ後もあるの? それはずっと残り続けているの?


「そうにきまってるだろ!ハゲ!」



ぉお…。二度も怒られるとは。あと、ハゲじゃないし。


自分が死んだらこの世界も消える


考える


でもさ、自分が死んだ後も、同じようにこの世界は存続しているって、誰もそれを証明した人はいないんだよね。

だって、それを証明できるのは死んだ人だけ。

死人に口なし、証明できないんだよ。

となると、

「自分が死んだらこの世界も消える」
ってことも、

まぁ、あるかもしれないよね。

ん? それはないって?


「だってオレのじぃちゃんが亡くなってからも、今、オレは生きているし!ちゃんと世界は残り続けているし!」


うん、なるほど。

でも、それじゃあ証明したことにはならないよ、たぶん。

キミのじぃちゃんとキミは、違う人間だろ?

「キミが死んだら」の話を今してるの。キミの話。

これはね、他者問題とかって言ったりもするんだけど、

「『他人』と『自分』が同じである」ってこたぁないんだ。

もし、他人がロボットだったらどうする?

「ロボットじゃない」なんて、言えないだろ?

キミは、キミのことしかわからないんだ。

彼女がおいしそうにチョコレートを食べてるよ。

きっと、甘いんだろうな。

でもね、彼女がチョコを食べているとき、「どんな味がしているか?」、ボクにはわからないんだ。

ひょっとしたら、ボクが「辛い」と思っていることが、彼女にとっては「甘い」かもしれないし。

彼女の脳みそを科学で検査しても、チョコを食べているときの、彼女の思い、感じ方は知ることができない。

彼女と同じようにチョコの味を体感することはできないんだ。

自分は、自分の心しかわからないんだね。他人の心はわからない。

チョコの味は、他人にはわからないんだ。


世界の中で、わかるのは、自分の心だけかも。

まぁ、こいつが、他者問題ってやつ。たぶん。

自分と他人を、同じ枠で一括りにするのは注意が必要で。

じぃちゃんと自分の死が同じ死であると解するのは、ちょっと安直かも(?


自分が産まれるまで、この世界はなかった


抽象2


話、もとに戻すわ。

あとさ、「自分が産まれたと同時に、この世界も生まれた」って、考えられなくもないでしょ?

つまり、自分が産まれるまで、この世界はなかった。

「んなわけねーだろ!」って?


「だって歴史があんじゃん!信長とかエジソンとかベートーヴェン!歴史で習ったよ!産まれる前にも、この世界はあったんだよ!」


え? ほんまにその人ら、おったんですか?

うん、いたかもしれないね。

でも、「かもしれない」の話なんだよ、所詮。

その人たちがいたことを、証明することはできない。

「過去」ってのは、自分が経験した「過去」のみわかる、

自分が経験したことのない「過去」ってのは、ほんまにあったかどうか、証明できないんだよね。

そりゃそうだよね、自分はその「過去」にはいないんだもん。


「自分が産まれると同時に、この世界は誕生した」
「自分が産まれるまで、この世界はなかった」

もしそうだとするなら、

「自分が死ぬと同時に、この世界も消える」って、いえなくもないよね?

「次世代のために、未来の子供のために!」って、とってもいいことだよ。

でも、自分が死んだ後も、この世界が存続しているという確証がもてない。

“次世代のために”って言われても、ちんぷんかんぷん。

そういう人間って、いるんだよ。いや、これマヂで。

こういう人は、今の社会では生きにくいかもしれない。

金になるクリエイティブが、ビジネスに求められるクリエイティブで。

逆に、金にならないクリエイティブは、ビジネスに不要どころか、非常識な者、妄想野郎として、変人扱いされることがある。

強い想像力というのも、考えもの。

でもうまく運用すれば、社会にカチッとはまるかもしれない。それを活かせる分野があれば。


***


自分が死んでからも、この世界は存続するの?って。

んー、ボクにはわかんないな。

先輩はどう思いますか?また色々話しましょう。