俺、思うんですよ。昨今の音楽、殊、ロックを聴いてて。

「この人、仕事も普通にできるんだろうなぁ」って。


“仕事”ってのは、サラリーマンの営業職とか、接客業とか、そういう、企業の下での、一般的な社会での仕事。

なんていうか、俺、勝手に思ってたんですよ。

音楽でメシを食ってる人って、社会ではうまくやっていけないような、悪く言えば、“仕事ができなさそうな不器用な人”が多いだろう、って。

カリスマ性のあるロックシンガー、思い浮かべてみてよ?

仕事ができそう?普通に社会で仕事ができそう?

すぐに仕事辞めそうじゃない?続かなさそうじゃない?

あふれんばかりの個性だから、無理なんじゃないかって。

でも、彼らは、音楽では異常に熱量をもって、人にはないような才を発揮する。
そこでもって社会参加し、専門分野を得て、職人、プロフェッショナルとして生活しているんだって。

そういう、ある意味、偏った者たちなんだろうなって。


でもね、もう、そんなんじゃないんだよな。たぶん。

音楽だけでメシ食ってくのが難しいような時代になって、

「普通に仕事もできるし、尚且つ、音楽もできる」

そういうんじゃなきゃ、やっていけないような時代なんじゃないかって。

だから、そういう人、増えてるよ。そりゃ増えるよな。ちょっとくらい“器用”になるって。


昨今の歌を聴いて「一般に溶けこむような歌、歌詞」を感ずる。


異質、個性的なアーティスト臭じゃなくて、彼らから「一般人の臭い」がするんだよ。

一方、

「音楽はすごいけど、仕事(一般職)はできなさそう」とか、そういう人、減ってきてるように感じるんだよ。

どっちもできるんだね、仕事も普通にできるような人材。

社会人としてのアイデンティティも兼ね備えている。


え?

「んなこたなぇねぇよ!お前なんも知らねぇな!音楽やってるやつらなんてボンクラばっかだよ!死ね!」

って、業界内の声が聞こえるけどさ、

私みたいな一般人の耳に届くのは、

「普通に仕事もできて、且つ、音楽もできる」ような、器用な人の歌ばかりが届くんだよな。

音楽好きでなければ、メジャーな歌くらいしか、通常の生活では知り得ないって。

んで、日の目を見るほとんどが、そういう人たちの歌になってるんじゃないかって。


「一般職とかできなさそうだけど、音楽分野では突出している人」は、確かにとんでもない音楽を作っちゃうけど、一部でシェアされるにとどまって、

「音楽ができて、普通に一般職もできそうな人」は、凡人の日常も歌える、風景として違和感がないBGMを作れる、日常に溶け込み、まんべんなく一般に広がっていきやすい

多くが一度は経験したことのあるような恋愛、ラブソングを歌えるんだよ。

「誰もが共感できるフレーズ」を知ってて、それを一般に投下する。広範囲に浸透する。

「私は一般人、歌い手も一般人」ていう“並列の関係性”ができているから強いんだよ、彼らは。

反面、斬新なメス入れはなくて、開眼させられることなんてない。けれど、居心地がいいんだよ。対等というか、一般目線、同じ目線だから。日々のBGMとして優秀。


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歌を聴いてて、「この人、仕事も普通にできるんだろうなぁ」と思うことが増えたので、メモがてら、ちょっとブログ書いてみた。

総じて、「器用だなぁ」、と。

じゃあまた。