『半沢直樹』とロボットのように働く私。
いつものごとく、ヤフーニュースを死んだ魚のような目をして読んでたら、
「『半沢直樹』というTBSドラマの視聴率がすごい」、
とのこと。
で、追いかける形で、一話から見始めました。
おお、確かにおもしろい。
『半沢直樹』
主演は堺雅人さんで、とある銀行マンの話。
他、上戸彩さん、香川照之さん、壇蜜さんが出てます。
あらすじ・内容
バブル期、都市銀行の数は全部で13行。銀行に入ったら一生安泰と言われていた時代で、銀行員はエリートの代名詞でもあった。そんな日本経済が熱狂していた時代に入行したのが、いわゆる「バブル入行組」。
この物語は、そんなバブル期に東京中央銀行に入行したバンカー・半沢直樹が、銀行の内外に現れる「敵」と戦い、組織と格闘していく様子を中心に描いていきます。
番組内での、
「やられたら、やり返す。倍返しだ!」
というセリフが胸アツで人気。
原作小説
“ロボットみたいな仕事だけはしたらあかん”
私は単細胞なので、こういったドラマを見るとすぐに、
「自身の仕事」について考えたりします。
銀行についてはよくわかりませんし、
“やられたらやり返す”的な、男気もよくわかりませんが、
笑福亭鶴瓶さん演ずる、半沢直樹の父のセリフが、ぐっときました。
「ええか直樹。どんな仕事をしようとも大切なのは人と人との繋がりや。ロボットみたいな仕事だけはしたらあかん」
まったくだなぁ、と。
毎日同じようなことを繰り返すのが、「仕事」だったりします。
そして、「同じことを毎日同じようにできること」が、仕事上、一つの評価に繋がります。
その中で、それができたうえで、新しいことを日々覚えていきます。
「“毎日同じこと”って、そんな仕事おもしろい?」と、意識の高い若手起業家から怒られそうですが、だいたいはそうなんじゃないでしょうか。そんなもんでしょう。
それに、毎日同じことばかりではありません。
予期せぬ事態が日々起きますし、それに臨機応変に対応するのまた、仕事だったりします(このへんは後述することとも関わりますが)。
基本、「毎日同じことを繰り返す」、
これがやはり、日常の基本パターンとなっています。
で、結果、オートマチックに、機械的に毎日動くようになります。
油断すると、ロボットのようになってしまいます。
「これでいいのか? 俺は人間なのか? これじゃあ、まるでロボットじゃないか!」という極端なことは思いません。
が、限界があると思うんです。
私は古くさい人間だし、社会人経験もそんなにないので、大いに間違ってることを言いますが、
仕事って、「人間と人間のやり取り」だろうなと。
「対・モノ」でも「対・カネ」でもない。
“対・人間”、なんだよなぁ。
なんだかんだ、「人間」を相手に仕事をしているんじゃあないか。
人間は予想を越える。
親しい恋人でさえ、予期せぬことをする。
心理学をどんだけ勉強したって、
目の前の人間が、いま何を思っているか、次に何を行うか、わからない。何をしでかすかわからない。
少しでもミスを減らすために、機械的に動かなきゃいけない。これは絶対だと思う。
けれど、ロボットのように、マニュアル化されたことを正確に行ってるだけじゃ限界がある、限界がくる。
毎日同じことをしたくても、相手が人間であるから、毎日同じことは続かない、続けることはできない。
なんでもかんでも数字や正確さだけで、頭ごなしに管理しようとすると、足元を救われるんじゃないか?
「ロボット 対 人間」という構図は、土台、不利な状況であって、それならば、「人間 対 人間」という対等な関係性のほうが、“得るもの”があるんじゃないか?
“得るもの”とは何か。
『半沢直樹』が面白いのは「人間 対 人間」で描かれているからであって、実際の仕事においても、そんな瞬間瞬間を大切にしていくことで、もっと仕事が面白くなる、それこそ、“ドラマ”にもなりうるのではないか。
そんなことを期待して、私は働きたい。
間違っていることに対して「間違っている」と言える人間・半沢直樹。と同時に、正しくとも認められない人間・半沢直樹。
ロボットではない、彼の人間部分にスポットをあてることで、“ドラマ”が成立している。
実生活において、それはかなりめんどくさいことになるだろうし、相手も私もロボットのように働けば楽なんだろうけど、人間として働きたいと思わせてくれる。
そのほうがずっと“ドラマチック”である、と。
数字やお金や正確さとは別のところで、私の、“人間的な何か”を期待し、それを仕事に見出していきたい、と。
***
“ロボットみたいな仕事だけはしたらあかん”
半沢父のセリフは、「ロボットのようになってはいけない」ということと、「相手はロボットではなく人間だ」ということ。
“数学のように正確に動かなきゃいけないけど、数字だけでは計れない”、ということ。
そんな板挟み、ジレンマが、いつも仕事につきまとい、
“対・人”である仕事を、カンペキにこなすことなんて、できやしないんじゃないかとさえ思う。
……なんか、ドラマの感想からかけ離れた感想になったけど、何気ない毎日を省みる、いいドラマだと思いました。
最終話まで、ちょこちょこ感想を書いていければと思います。
では。