『伊達マスク』の心理:当事者が語ってみる
『伊達マスク』(だてますく)って、知ってます?
ウィキペディアにものってるよ。
だてマスク(伊達マスク)とは、本来の衛生上の理由とは異なる目的で常にマスクを着用すること。
■目的
・何となく落ち着く。
・顔がコンプレックスだから。
・顔を隠せるため視線にさらされない安心感がある。
・人と話さずに済む。
こういったのを「伊達マスク」と呼ぶのですが、私はコレです。
行き帰りの通勤中、ほぼ100%マスクを着用しています。(仕事中は、さすがにはずしますが…)
プライベートで外に出かける際も、マスクをもっていきます。
理由は、衛生目的ではなく、上記のような、「表情を隠す」「落ち着く」といったことです。
マスクをうっかり家に忘れてきてしまうと、落ち着かない、すごく後悔をしてしまいます。
マスクは60枚セットで常備、Amazon購入しています。
癖になるとヤバイ
さて、そんな「伊達マスク」ですが、心理学的分析では、ややネガティブに言われております。
「(中略)自分の本音を他人に知られることが怖い。そして自分の弱みを知られることを嫌うのではないか。」
「リアルなコミュニケーションを避けるのは、社会不安障害に近い症状で、マスクは、引きこもりにならないよう何とか外に出るための一種の防衛装置である。表情を読まれないことに慣れると癖になってしまう。」
なぜ自分が「伊達マスク」をするのか。
上記の陳述通り、コミュニケーションや、他人の目線が苦手だからでしょう。過去、ひきこもりだったこともあるし。
「伊達マスク」に慣れてしまうと、他者に心や表情をみせることが苦手になってしまったり、コミュニケーション能力の低下につながる可能性がある。
…まぁ、そこまで重症化することはあまりなさそうですが、そういった危惧はもっておいたほうがよさそうです。“度が過ぎるとよくない”、ということですね。気をつけましょう、はい。
されど便利、マスクへの愛
とはいっても、マスク、ほんとに便利なんですよね。
なかなか手放せない理由がいくつかあって。
表情を隠し、他人の目を避ける
私は今の仕事につく前、しばらく自宅にひきこもっていたので、
"満員電車にほぼ毎日のる"という急な環境の変化に、面食らってしまいました。
が、マスクを着用するようしてから、自分表情を隠せることから周囲の目線を気にすることもなくなり、ずいぶんと気持ちが落ち着くようになりました。ストレスが軽減された。
「へたれすぐるwww」あるいは「自意識過剰すぎwww」と笑うかもしれませんが、長らく自宅にひきこもっていると、そうなってしまうものです。たくさん人がいる場所が苦手で、生(なま)の他人の目がおそろしいんですね。
性格的にも、子供のころから人混みが苦手で、「一人でいるのが好き」なほうだったので、そのへんも根本的な要因としてあるのかもしれません。
潔癖的な側面
理由はそれだけじゃない。
私は、埼京線という満員で有名な電車に平素乗っているのですが、
例えば金曜の夜とか、ものすごく車内が"酒臭い"んですね。
言ってみれば、電車内は"密室"ですから、酒臭さが充満しており、また、逃げ場所もない。
どうも、苦手なんですね…あの臭いが。
自分自身、そこまで小奇麗な人間でもないくせに。すいません。
そういった場面でも、マスクはなかなかの効果を発揮してくれるのです。
(※臭いを避けるというのは、今回の『伊達マスク』とはあまり関係がないことかもしれないけど、こういった潔癖な側面と閉鎖的な心は、どこか深いところで通じているんではないかと。なんとなく。)
「伊達マスク」が無くても外出ができるか?
――ところで。
「『伊達マスク』無しでもやっていけるか?」と問われれば、それは可能です。
おそらく、私と同じように「伊達マスク」をしている人の大半は、マスクなしでも"大丈夫"なんじゃないでしょうか。
携帯を家に忘れてしまうと、そわそわすることありませんか?そのような感覚は多少ありますが、「我慢ができない」「冷や汗がでる」といった強い依存は今のところありません。
実際、仕事中はマスク無しで普通に接客もしております。
大多数は、その程度のものであると思います。
……が、“マスクをつけていたほうが落ち着く”、これは事実です。
「ストレスがたまらないにこしたことはない」と思って、割りきり、マスクを“意識的”にストレス軽減ツールとして利用するぶんには、よいのではないかと思います。(インフルエンザ防止で人がマスクをするように、“意識的”に用いる。)
私は明日もあさっても、今年の夏場も、「伊達マスク」をつけて通勤するつもりです。
けれども、これが“無意識”レベルの、完全なる慣習になってしまうと、どうもマズイような気がします。
それこそ「中毒」となってしまい、マスク無ししじゃ外にでれないようになってしまって、日常生活やコミュニケーションに支障がでる恐れもある。可能性はゼロじゃない。
完全な慣習化、『強い癖』になってしまわないようにしたいものです。
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『伊達マスク』について、自身の体験をふまえて書いてみました。
こういった伊達マスクに対して、「気持ち悪い」と言う人がいるかもしれませんが、すいません。
すべて自分に責任があるのは承知です。
以上、@ryotaismでした。
