悩み相談ができないのはなぜか?
最近、不安なことがあって。
明け方まで、なかなか眠れない、なんてことが多々。いい歳して、困ったもんですが。
「どうしたもんかなぁ…」「大丈夫かなぁ…」と思案し、いわゆる“一人で抱え込んでいた”状態。
これ、よくないんですね。よくない。一人で考えていても仕方ないじゃないか、らちがあかないじゃないか、って。
で、思い切って、悩みを知人に打ち明けてみた。
すると、悶々としていた気持ちが、いっきにスッキリとした。
よくあるやつですよ、“人に話すだけでもスッキリする”、というやつ。
なんだか、今まで悩んでいたことがバカみたいに思えてくる。毎朝毎晩、あれだけ考えても答えが出なかったのに、人に話しただけで、簡単に解決してしまった、不安がスッと消えた。
――こういうのって、だれしも経験があるんじゃないか。“人に相談する”って、シンプルだけど、その効果は絶大ですよね。
でも、なんでだろ。つい、忘れてしまうことないですか? つい、人に相談せずに、自分ひとりで考えこんでしまう、そして、追い込まれてしまう。
なぜ、人に相談せずに、私は自分ひとりで考えこんでしまうのか?
いかんなぁ。ちょっと考えてみる。
相手に迷惑じゃないか?
人に悩みを打ち明けずに、自分一人で考えこんでしまう理由――。
まぁ、まずはコレでしょう。
“相手に迷惑じゃないか”、って。
で、躊躇してしまう。人に相談せず、自分一人で解決しようとする。
でもね、逆の立場で考えてみようって。今まで、友達から相談されること、あった。そのとき、「迷惑だなぁ」と感じただろうか?
そりゃね、「金、貸してくれ」とか、真夜中に何度もしつこく相談されるとか、そういうのは、迷惑だ。人にされて嫌なことは、人にはしないようにしたい。
んー、しかし、悩みごとを聞くだけなら、そんなにストレスではなかった。
この、“悩みごとを聞くだけなら大丈夫”、というのが重要で。
冒頭でも述べたけど、相談者は、悩みごと聞いてもらうだけでじゅうぶんなんですよ。たったそれだけで、気持ちがだいぶスッキリするんです。
「解決してもらおう」とか、「具体的な解決策を提案してほしい」とか、そういった悩みごと相談は、人に迷惑をかける可能性がある。しかし、“悩みごとを聞いてもらう”程度、その程度なら、たいがい、相手はなんとも思わない。まして、仲の良い友達なら。
つまり、“迷惑じゃないか?”なんて、ちょっと考え過ぎで。弱音を吐くくらい、どうってことないですよ。その程度、相手は案外なんとも思ってない。自分が過剰に思い込みすぎているだけ。
「話を聞いてもらう」程度なら、人に相談してもいいんじゃないか、とボクは思うんです。ちょっとくらい、人に甘えてもいいんじゃないですかね――もちつもたれつ。
恥ずかしいんですよね。
「いや、そういうこっちゃないんですよ!人に迷惑だとか、そういうこっちゃないんですよ!」
「え? じゃあどういうこと?」
「恥ずかしいんですよ、“人に相談する”ということが。プライドが高いというのもあるし、また、『自分で解決すること』を大事にしているから」
――と、ボクにはそういうことがよくあります。
プライドなのかなんなのか、片意地をはって、自分でなんとかしようとする。「人に相談するとか、私、そういうキャラじゃないし」と、自分で自分を「私ってそういうヤツだから」とアイデンティファイしているケース。
さらに、歳をとればとるほど、「いい歳して、自分で解決せずに、人に相談するの、なんか恥ずかしいな…」と思いがち。
結果、人に相談せず、自分ひとりで考えこんでしまう。
でも、ボク、思うんですよ。
「恥ずかしい」だなんて、そんなものは、その程度の悩みごとでしかないんじゃないか、って。人間、本当に切羽つまってたら、んなこと言ってられんと思うんです。恥ずかしがっている時点で(あるいはプライドを優先している時点で)、実はその悩みごとは、ちっぽけな悩みであって、たいしたものではない。
悩みごとの規模を、自分で勝手に大きくしているだけで、そもそもそんなに大きな問題ではない。ちっぽけな悩みごとを、そんなに重大に扱う必要があろうか? なにを照れているんだろうか、何を大げさに恥ずかしがっているんだろうか。たいしたもんでもないのに、慎重に取り扱おうと、一人で抱え込み、煮詰めて、煮詰まっている。
「いやいや、ちっぽけな悩みごとであるからこそ、人に話すのが恥ずかしいんですよ!話しにくい」
というようなプライドって、あると思う。確かにあるとは思う。
が、くだけた言い方になるけど――「恥ずかしい」だなんて、そんなしょうもないプライドをもってたって、どうしようもない。1円にもならん。そもそも、俺(私)、そんなにたいした人間か、と。
これ、悩みごとを大きく見積もっている、というより、自分を大きく見積もっているのである。「恥ずかしい」だなんて、つまりそういうことだ。
一言でいうならば、『つまらんプライドなんて捨てて、素直に相談すりゃいい』ということ。そんな、たいそうなプライドをもつほどの者ではない。悩んでいる時点で、私はたいしたヤツじゃあない。自分を大きく見積もるのはよそう。
たまにはダメ人間、いいですよ。人に甘えても、いいですよ。そういう自分も、いいだろう。多少の恥をさらすことの何が悪い。犯罪を犯してるわけじゃあるまいし。
人に相談して、解消して、次へと進めることがある。「なぁんだ、つまんねぇことで悩んでいたな。」と、気づける。恥じらいが邪魔をして、つまんないことで悩んでいる、そんな時間はもったいないと思う。
◆ ◆ ◆
無理せず、我慢せず、恥ずかしがらず、人に話してみる、相談してみる、悩みを打ち明けてみる、すると、いっきに解消することがある。
そんなシンプルなこと、大人になればなるほど、忘れちゃうんですよねぇ。
以上、最近ボクの身にあったことです。ではまた、@ryotaism。
関連記事
