“死ぬ気でやれよ、死なないから”:杉村太郎『アツイコトバ』を再読
引越しのとき、本を整理していたら出てきた。
杉村太郎『アツイコトバ』。
たしか20代前半のころに買った――“死ぬ気でやれよ、死なないから”というフレーズにひかれて。
あんまりにも懐かしかったので、再読してみました、約10年ぶりに。
これ、やっぱりいい本ですよ。ボクは大好きです。amazonの評価も上々。
杉村さんは47歳という年齢で亡くなってしまいましたが、引き継ぐべき、魂のこもった一冊だと思います。
気にとまったコトバをいくつか紹介。
『アツイコトバ』(杉村太郎著)
やはり、まずはこれでしょう、この本といえば。
“死ぬ気でやれよ、死なないから”
“死ぬ気でやってる奴に勝てる奴などいない。どんなに実力があるものでも、命をかけているものに対して勝てることはない”
命を無駄にするんじゃなくて、命を使い切れよ、という話です。
全身全霊で生きているか?
“危険な方を選べば、すべてが正解だ”
全く同意です。
“真の感動も快感も、自分への勝利も、危険のその先にしかない”
全く同意です。
ウソをつくな、と。へらへらへらへらと、居酒屋で楽しそうに笑ってる私。ウソをつくな。本当は、何一つ満足できてない。“危険”がないから。安全ばかりを選んでいるから。
“「本当はこれがしたいんだけどなぁ」という甘えたガキのタワゴトは絶対になしだ”
「やりたいこと」があるのだけど、先延ばしにすることがある。
先延ばしにせざるを得ないこと、というのは実際あるだろうが、実はほとんどの場合は、恐れているだけ。
最悪の場合、「やりたかったこと」を「なかったこと」にする。
甘えたガキのタワゴトはなしにしたい、もう大人だから。
“一番を狙っていない奴など信じてはいけない”
一番を目指している者には、“期待”ができる。
一番を目指さないと、“手抜き”が生じることがある。甘えというか、逃げというか。別に、一番でなくてもいいわけですから。
そんな状態で本気がだせるだろうか?
何かをやるなら、一番を目指せ。絶対に一番を目指せ。二番三番はなしだ。
一番を目指さぬ者に、努力もクソもない。話にならない、という話。
“誰もが特別なのではない、自分だけが特別なのだ”
大人になるにつれて、気づく。
「私には特別な才能がない」
そうして、何かを諦め、妥協すべき部分を知り、わきまえ、大人になっていく。成長の仕方としては間違っていない。健全。
「自分は万能である」と思い込み続けて、大人になると、周囲に迷惑はかけるし、苦労するだろう。社会にハマりにくい。
それでも思える者が勝つ。突き抜ける。
“誰もが特別なのではない、自分だけが特別なのだ”と、それでも思えるか?思っているか?そうとしか思えないか??
“感情を捨てよ”
このコトバ、短いんですけど、ボクとしては最もグッときた。
手近な喜びでいちいち喜ぶなって。望むものをその手につかむまで、感情なんか捨てちまえ。“勝手に涙がこぼれ、全身の震えが止まらないほどの感動は、その先にしか存在しない”。
本当に欲しいのは、そんなんじゃないんです。「それなりに楽しんでガス抜きすること」、そんなことが、はたして本当に欲しいものだったか?
感情を捨て、機械のごとく、淡々とやるべきことをやる。その先に待っている感情と出会いたい。
“考える前に行動せよ、行動しながらもっと考えよ”
「考える前に行動しよう」とはよく言ったものですけども。
行動しただけで満足ということが多すぎないか。
“行動しながらもっと考えよ”――いいコトバだと思いました。
◆ ◆ ◆
というわけで、このようなコトバが合計88、収録されています。
今回のせたコトバはボクの好みなので、けっこう偏りがありますが、全体を読み終えると、きちんとバランスがとれるような構成になっていますので、そこはご安心を。(人生がめちゃくちゃにならないようにフォローしてくれるコトバもある)。
傑作だと思います。少なくとも、ボクは20代の若いころに出会えて本当によかった。
以上、杉村太郎『アツイコトバ』のご紹介でした。
ではまた。@ryotaismでした。
