本は『おしゃれアイテム』になりうるか?
過去なんべんも僕は言ってるんですけど、本は「おしゃれアイテム」なんですよ。たとえば、女性のカバンの中に「中原中也詩集」が入ってたら、「お?」って思いますよね。夏目漱石が入ってたら「お?」って思いますよね。え、思わない?まぁそういう人もちょっと聞いてくださいよ。
“本ってある種の「おしゃれアイテム」だよね”――でも、それがいまいち世間的に認知されていない。いやいや、もっと全面的にうちだしていこうじゃないか。『本はおしゃれなのだ』と。堂々と言ってしまおう。恥じることはない!批判を恐れるな!!
僕は服装のおしゃれに興味がないので、ちょっとよくわかんないですけど、似てると思うんですねおそらく。「服なんて、着れたらそれでいい」って、僕みたいなもんはそう思ってるんですけど――服って、生活必需品の枠を越えて、おしゃれを表現するアイテムじゃないですか。その人のセンスっていうか、魅力の一つとなる。本もこれといっしょなんすよ。それを持っておしゃれをアピールすることができる。
極論ですけどね、本の内容をきちんと把握しているかどうかなんて、どうだっていいんですよ。インテリア雑貨みたく、部屋においておくだけでもいいんですよ。それだけでもじゅうぶんにオシャレ、そういう側面が本にはあるよねってことを言いたい。
と、こんなこといったら、読書家は怒るんでしょうけども。「そんなもんは文学の本質じゃねぇ」って。中身こそが大事。読んで何を感じたかが大事。人にアピールすようなもんじゃないって。いやわかるわかる。でもね、入り口は「おしゃれ感覚」でいいんじゃないかって、近頃僕は思うんですよ。(そんなに怒らないでほしい)
僕、以前タバコ吸ってたんですけど、吸い始めた理由は、ロックンローラーがタバコを吸ってるのを見て、「なんかかっけぇな」って思ったからなんです。で、そのロックンローラーは音楽を始めた理由が、「女の子にモテたいから」、だったんですね。入り口、きっかけなんて、そんなもんじゃないですか。たいした理由じゃない。「かっこいいから」とか「モテたいから」とか、そういうもんだったりする。
本を買う理由が「頭がいいと思われたいから」って、見栄をはるためだったとしても――それは本当にクズみたいな理由ですが――まぁ、いいんじゃないのって。本って、そういう側面あるから。そういうクズな理由から、発展していくことだってあるだろう。(そこを許せなかったら、とってもめんどくさい人じゃないか)
カバンの中に「中原中也の詩集」を入れてるけど、実は一度も読んだことない。これはダサい、たしかにダサいと思います。それじゃあやっぱりだめだ。つまり、おしゃれじゃない。とりあえずちょっとくらいは読んでいてほしい。「いちおう読んでるんですけど、難しくていまいちよくわからないです…笑」、と、この程度でよい。(いやむしろそれくらいのほうがいい、という説もある。むしろそのくらいのほうがおしゃれだ、と)
もっているだけ、まずはそれだけでいいのだ。「中原中也の詩集」をもっているだけで、もっていないのと比べると、可能性がある。「文学とか全然興味なくて、おしゃれのつもりで買っただけけど、読んでみたらハマった」、とか、なきにしもあらずだ。いや、別にそこまでいかなくてもいい。ずっと「おしゃれ感覚」のままでもいい。服装と同じように、おしゃれだと思ってアピールしていい。何も悪いことじゃないし、少なくとも僕は「おしゃれだなぁ」と思います。
では最後に一言。
「読まなくていいです。明日、本屋さんに行って、『おしゃれアイテム』だと思って、何か一冊買ってみてください。それを家に飾る、あるいは、会社にもっていくカバンにしのばせておく――もう一回言います、『読まなくていい』。買って、もっておくだけでいい、『おしゃれな雑貨』を買う感覚で一冊買ってみてください」
以上。半分冗談で半分本気。@ryotaism
