どうしようもないほど――

何もかもがイヤになったとき、人生に疲れてしまったとき、どうするか。

2通りの考え方があります。

  1. 「消えたい」と思う
  2. 「逃げたい」と思う

「消えたい」と「逃げたい」、語感は似ていますが、意味は大きく異なります。

では、それぞれみてまいりましょう。


1.「消えたい」と思う

これはいわゆる、“死にたい”というものであり、自殺などがそうです。

どうしようもないほど「何もかもがイヤになったとき」「人生に疲れてしまったとき」――。

消えたいと思う。この世からいなくなってしまいたい。自分を消してしまいたい。

自分を『0(ゼロ)』にする。『無』にする。『消去』する。


2.「逃げたい」と思う

ひきこもりや、現実逃避、などがそうです。

自分の殻にとじこもる。安全なところへと逃げる。傷つかないところへと逃げる。

「田舎に住みたいなぁ」なんていう、疲弊したセリフもこれに類するかもしれません。

何もかも忘れて趣味に没頭し、ストレスを発散する、などもそうでしょう。

さて。

先ほどの、「消えたい」の場合は、自分を『0(ゼロ)』にする、ということでしたが、「逃げたい」の場合はそうではありません。

これは、あくまで自分を残しておきたい。

『0(ゼロ)』ではなく、『1(イチ)』。

『1』――『自分』だけは残しておきたい。

「消えたい」と「逃げたい」の違いはここにあります。

◆ ◆ ◆

どうしようもないほど――

何もかもがイヤになったとき、人生に疲れてしまったとき、どうするか。

僕は、2.「逃げたい」と思う、を選ぶ。選んできた人生でした。

たとえば、僕の場合、小説がわかりやすい例です。

小説を読んでいると、日常のイヤなことを忘れて、物語に没頭できます。自分の殻に閉じこもり、傷つかないでいられる。

ふと、「情けねぇなぁ俺」と、今日、思った。逃げてばかりだ。

が、選択肢は2つ。色々あるようで、実は、「消えたい」と「逃げたい」、この2つしかなかったのだとするなら。

もし、 何もかもがイヤになったとき、人生に疲れてしまったとき、2.「逃げたい」、を選んでいなかったら――残りの選択肢、1.「消えたい」、を選んでいたということになる。

◆ ◆ ◆

「自殺」と「失踪」。

ちょっと似ているようで、ぜんぜん違う、この二つの言葉。

■失踪(しっそう)
[名]行方をくらますこと。また、行方が知れないこと。失跡。

「失踪」という選択肢について考えてみてもいいんじゃないかなぁ。@ryotaism