「人生は短いからやりたいことをやれ」

昨今はこう言われることがずいぶん減ったかもしれないですが、
私が20代のころは、こういった自己啓発をよく耳にしました。

「人生は短いからやりたいことをやれ」

つまり、
「人生なんていつ終わるかわからないんだから、やりたいことがあるなら、今すぐにでもやったほうがいい」というもの。

たしかになと思います。おっしゃるとおりだと思う。

私自身もこの考えに共鳴し、行動にうつしていったことがあります。それは今現在においてもです。この考え方が理解できる。

しかし一方で、最近はこれとは異なる考え方ももつようになりました。


人生100年時代


先日のブログでも少し触れましたが、“人生100年時代”という言葉について。

厚生労働省によると、日本人の平均寿命は以下。
※2020年統計

  • 女性 87歳
  • 男性 81歳

参照:日本人の平均寿命、女性は世界1位の87・74歳…男性は2位の81・64歳 : 医療・健康 : ニュース : 読売新聞オンライン


ちなみに100歳以上の高齢者は日本に何人いるか?

  • 約8万6000人

参照:100歳以上の高齢者8万6000人超で過去最多 最高齢は118歳 | NHKニュース

日本人の平均寿命は、年々伸びていってる状況です。
この傾向はしばらくは変わらないように思います。


「何もせずに過ごすにはあまりにも長い」


「80歳まで自分が生きる」、そのように考えると、けっこうまだまだ時間ありますよね?

もちろん、人生はいつ終わるかわからない、いつ死ぬかわからない。こんな計算、あくまで平均なのであって、あてにしすぎるのはいけないかもしれない。

だけど、もし、自分がこの平均寿命のように、80歳まで生きるとしたら。

「人生は短いからやりたいことをやれ」ではなく、
「人生は長いからやりたいことをやれ」

と、このように思わないか。

人生は短いから~、ではなく、
長いからこそ、やりたいことをやらなきゃいけないんじゃないか。

60歳で定年退職したとしても、そこから80歳までは20年ある。かりに90歳まで生きたとしたら30年。

これだけの時間があるのだから、やりたいことがあるならやっていったほうがいいんじゃないか。

つまり、「何もせずに過ごすにはあまりにも長い」ということ。

もちろん、肉体やもろもろ、老化していくわけだから、「やりたいことがある」といっても、そもそも「やりたくてもやれない」かもしれない。ここはすごく重要な部分だと思う。だから、若いうちに(健康なうちに)色々やったほうがいい。

しかし、老化するにせよ、その影響があるにせよ、
“この長い時間をどう過ごすか?”ということについては、やはり考えなければならない。


「人生は長いからやりたいことをやれる」


「明日死ぬかもしれない」、だったら今日何かをしたところで、やれる時間がそもそもないですよね

そう考えると、
「明日死ぬかもしれないからやりたいことをやれ」って、なかなかの暴論です。

明日死ぬのなら、「やりたいことをやる」準備も努力もできない。
時間があまりになさすぎる。

「やりたいこと」って、そもそも時間が必要なんです。
それを実現するために、時間が必要。

よって、“人生は短い”、こういった考え方や発想だと、「やりたいこと」を狭めてしまう、「やりたいこと」を見つけにくくなってしまうんじゃないか。

「明日死ぬかもしれない」と考えて生きると、やれることは限られてしまう。
一方、「人生は長い」と考えて生きると、やれることの選択肢は増える。

刹那的な生き方が必ずしも「やりたいこと」を加速させるとは限らない。

「人生は長いからやりたいことをやれる」


最後に


ここまで色々述べましたが、

「人生は短いからやりたいことをやれ」
「人生は長いからやりたいことをやれ」

私はどちらの考えも間違っちゃいないと思います。

前者は、「すぐに実行するため」に必要な考え方、
後者は、「実現するため」に必要な考え方、

そのように捉えてもいんじゃないかと思う。

人生100年時代。みなさんはどうお考えでしょうか。

では今回はここまで。